a.自然派ビギナー講座/入門コース

2020年3月15日 (日)

2019年度 入門コース第10回「里山の植物観察 冬」

神奈川シニア入門コース
第10回「里山の植物観察 冬」
2020年2月19日

年間を通じて設定されている里山の植物観察。
春、秋に続く3回目は植物の冬越し戦略や
春を迎える準備について学びます。

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震える「冬」からエネルギーが張る「春」へ。
午前中の講義は、子孫を残すための植物の冬越しがテーマです。

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講師は全国森林インストラクター神奈川会の
菅原啓之氏です。

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「スミレ科」はおよそ16属850種、そのうち400種を
「スミレ属」が占め、科全体としては樹木のほうが多い・・・
ちなみに日本産はすべて草本、しかも学名があるものは250!そんな専門性の高い話題から、
ハハコグサの草餅はヨモギより美味しいという耳より情報まで。
興味が尽きません。

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お待ちかねランチタイムです。

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今日はお焦げが美味しそうにできています。
おかわり続出!     

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午後の里山観察はセンター裏山からスタート。
クロモジやヤマハンノキの冬の様子をじっくりと。

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丸いのはヤマハンノキの実。
細長く下がっているのは雄花です。

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まだまだ茶系が多い景色の中でひときわ
目を引くカンザクラのピンク。
今日の青空によく映え、皆さんからも歓声が。

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カンザクラはカンヒザクラとヤマザクラとの系統(アタミザクラ)と
一般には言われていますが、カンヒザクラとオオシマザクラ系統(カワズザクラ)の
早咲き種もカンザクラと呼ばれることがあります。
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町田市に接する真光寺公園を目指して
さらに尾根道を進みます。
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真行寺公園の敷地に入ると梅も
ほころび始めていました。

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ヤブツバキの濃いピンクが目を引きます。

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花びらの散り方でサザンカとの区別がつきますが、
紡錘形の冬芽や裏面の主脈などが無毛かどうかで
見分ける方法もあると教えていただきました。

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真冬の公園内は人もまばら。
広い敷地内はほとんど貸し切り状態です。
すっかり葉を落としているので樹形がよくわかります。

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真光寺公園を抜け、常照寺の脇道を
黒川駅方面に戻ります。

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美味しそうな(!)フキノトウ発見。(採取はしません。)
オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ハコベなど早春の草花を観察します。

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秋にはたわわだったカリンが落ちていたり、
気づかなかったマンサクが花をつけていたりと
季節の違いを楽しみながら黒川駅に到着。解散となりました。

真冬ではありましたが風もなく、
日差しも降り注ぐなかでの里山歩き。
身近な自然に接し刻々と近づく春を実感した一日でした。(事務局:石川)

2020年1月26日 (日)

2019年度 入門コース第9回「発酵食品~麹のちから~」

神奈川シニア入門コース
第9回「発酵食品~麹のちから~」
2020年1月15日

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東京シニア、千葉シニア聴講生を迎えての
第9回入門コース。
講師は黒川青少年野外活動センター所長の野口透氏です。

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ずらりと並ぶ野口氏の発酵食品コレクション!
日本伝統『麹』のちからをフルに活かしたものばかりです。

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百聞は一見に如かずということで
まずは味噌の食べ比べ。

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大根はセンター敷地内で栽培した採れたてのもの。
お味はいかがでしょうか?

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米麹の仕込み方レクチャーのあと
いざ、実践です。

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麹をフネ
に移したら蒲鉾状に整え
室に格納して作業は終了です。
温度管理をしながら<手返し>を繰り返し完成を待ちます。
完成までの様子はセンターのブログ「どんぐり山通信」でご覧ください。

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野口所長の十八番、つぼ焼き芋もいい具合に
出来上がりました。
講座の締めはおいしい焼き芋を頬ばりながら。
皆さんお疲れさまでした。(事務局:石川)

2019年12月22日 (日)

2019年度 入門コース第8回「しめ縄飾りと正月文化」

神奈川シニア入門コース
第8回「しめ縄飾りと正月文化」
2019年12月18日

年の瀬の講座にふさわしくお正月飾りを制作します。
シニア自然大学校入門コースでは開講以来、
恒例になっています。

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7月の「伝統パッケージ」でも稲という素材に触れましたが、
本日は「日本人と稲作文化」という視点から学びます。

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しめ縄飾り完成品のイメージはこちら。
藁を綯(な)うところから手作りするので、ハードルが高そうですが大丈夫。
素敵な作品ができますよ!

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先月に続きNさんから畑のダイコンとお蜜柑の差し入れです。
重いのにいつもありがとうございます!
講師手作りの藁籠に入れてお披露目。

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講師はやまぼうし自然学校の丹野雅之氏。
サンプルで並べたわら細工はほとんどが氏の手作りです。
稲作文化、植物としての「イネ」、藁の生活文化、
しめ縄飾りの民俗文化などを学びました。

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座学のあとは藁綯いの実習です。
昔ながらの藁綯い(これが難しい!)を体験したのち
丁寧に下処理された藁をふたり一組で綯い、輪飾りに仕立てました

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山形出身の丹野氏は3歳の頃から(!)見よう見まねで
藁を綯ったそう。受講生の中にもおひとり、子ども時代に藁綯いを
体験されている方がおり、にわか講師となり皆さんに頼られていました。

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お待ちかね、ランチタイム。
配食も手際よくなってきました。
Nさんから差し入れのダイコンはお味噌汁と浅漬けにして
ご提供させていただきました。

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午後は輪飾りに装飾を施していきます。
四手、紅白水引、松枝、千両、裏白などなど、
ひとつひとつ丁寧に取り付けていきます。

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デパートの実演販売さながらのレクチャー(笑)。
「バランスにこだわれば素敵な仕上がりになります」
皆さん真剣な眼差し!

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はじめて手にする水引。男性陣はフローラルワイヤーも
恐らく初めての扱いですね。

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なかには楽し気に、笑顔で余裕の方も。

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全員が無事に素敵な完成品を手にすることができました!
講座で仕入れたうんちくも盛って、一から手作りしたことをぜひ
ご家族に自慢してください。皆さまに素敵な新年が訪れますよう。

第8回講座のあとは夕方から忘年会も楽しんで
にこやかにお開きとなりました。 (事務局:石川)



2019年11月29日 (金)

2019年度 入門コース第7回「里山の植物観察 秋」

神奈川シニア入門コース
第7回「里山の植物観察 秋」
2019年11月20日

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本日の講座は里山の植物観察~秋編~。
座学では<紅葉><果実><冬芽>など植物のさまざまな
冬越し戦略を学び、その実態を野外観察で確かめます。

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講師は全国森林インストラクター神奈川会の久野正樹氏。
神奈川シニア1期生でもあります!

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フィールドは黒川周辺、汁森神社からスタート。
里山の自然観察~春~で辿ったコースを歩き、季節の変化を
捉える趣向です。

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カエデが色づき、よく見ると種子をつけています。

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落ちている種子を拾って観察してみます。
一方はカエデ、もう一方はシデ。風に舞って遠くまで運ばれるよう
仕組みになっていることがわかります。

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汁森神社の境内奥。さて春との違いは?

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ケヤキもすっかり葉を落としています。

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洞はムササビの住処では?という説明に思わず見上げます。
昼間はお目にかかれませんが。

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汁森神社を出て里地へ。
左手には農地が続きます。

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最近目にしなくなっていたセイタカアワダチソウが群生しています
ひところより背が低くなって復活でしょうか?

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農地から黒川海道特別緑地保全地区へ。
色づいた樹々が青空に映えます。
ハウチワカエデやコハウチワカエデの
特徴ある葉の形を観察。

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緑地では黒川里山アートプロジェクト
<緑と道の美術展>が開催されていました。

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手元のパフレットと作品を見比べながら鑑賞しました。
本日のルートで全部を鑑賞することは叶いませんでしたが
全部で25作品も点在しています。

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コナラやクヌギの落ち葉を踏みしめながら
さらに歩をすすめます。
あたり一面が茶色ですが、注意深く観察すると
トネアザミやヤクシソウなどがひっそりと花をつけています。

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大きなホオノキの実を発見。
このあたりは春の観察時には白いホオノキの花の香りが
漂っていました。

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日当たりのよいところには早くもホトケノザが見られます。

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緑地を抜け、セレサモス方面の農地へ。
午後3時近くになり、影もだいぶ伸びてきました。

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農地端に植えられたカリンの樹にはたわわに
実がついていて、遠目にもよく目立ちます。
ゴールは黒川駅。北風が強い一日でしたが
秋の里山を満喫しました。

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おまけ画像。
今日はNさんがビタミンCたっぷりのミカンと
カボチャをご提供くださいました。
カボチャには少しの砂糖を加え、巾着絞りにして
デザートとして頂きました!(事務局:石川)

2019年10月25日 (金)

2019年度 入門コース第6回「サバイバルに活かせるアウトドア技術」

神奈川シニア入門コース
第6回「サバイバルに活かせるアウトドア技術」
2019年10月16日
会場/フィールド 黒川青少年野外活動センター

折しも台風の大規模な被害が広がるなかでの講義となりました。
いざという時のために・・・しかし義務感や切実感は排除。
講師・野口透氏のお人柄も手伝い、和気あいあいと実習しながら
技術を習得することができたと思います。

センターのブログ、どんぐり山通信のリンクでご覧ください。
http://kurokawa-yagai.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-6d37b7.html

(事務局:石川)

2019年9月25日 (水)

2019年度 入門コース第5回「仲間と自分を守る~安全講話~」

神奈川シニア入門コース
第5回「仲間と自分を守る~安全講話~」
2019年9月18日
会場/フィールド 黒川青少年野外活動センター

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本日は安全に関する講座です。
自然体験活動における安全管理について学びます。

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このところの暑さで体調を崩し気味の方も多く
本日は欠席多めです・・・

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講師は大東文化大学 スポーツ・健康科学部教授の中村正雄氏です。

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講義、実技、質疑応答を重ねながら丁寧にすすめます。

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かつてお勤めの職場で強制研修した方もいらっしゃるようですが、
いざという時のために繰り返し体験することが大切です。

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机上だけでなく実際のフィールドを歩いて
危険個所を把握する実習。五感フル活用です。

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いつもの風景。しかし視点を変えて眺めてみると
潜んでいる危険が見えてきます。

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楽しみな羽釜ご飯。
今日は雨予報のため屋根付きの炊飯場で。

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受講生のOさんから、畑で収穫されたという
大きなカボチャとジャガイモのご提供がありました!
ありがとうございます。

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午前中の講義が終了。お待ちかねのランチです。

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和やかなランチタイム。
今日は長野県産の丸ナスとモロッコインゲンのお味噌汁です。

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カボチャとジャガイモは1期生Kさんが
ほくほくの煮物にしてくださいました。
いつもボランティア出動ありがとうございます!

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午後はAED実習を中心に。
まずは中村先生のデモンストレーション。

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プリントで確認しながらチームごとに練習開始です。

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胸部圧迫は100-120回/毎分。
救急隊到着まで中断せずに続けるのは思いのほか大変です。

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実習指南役、沿道の傍観者役、メイン救助役を分担し
救助方法など具体的な動きを確認します。

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勇気をもって救助に一歩踏み出す大切さ、周囲の人との速やかな連携。
皆さんの活発な質疑応答の様子からも、実践的な知識と技術を
習得することができたのではと感じました。(事務局/石川)

2019年5月22日 (水)

2019年度 入門コース第2回 「里山の植物観察 春」

神奈川シニア入門コース
第2回「里山の植物観察 春」

前日の雨は上がり、第2回もお天気に恵まれ
観察日和となりました。
ウエアやシューズを新調された方も見受けられ、
装備も完璧です。

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座学は里山の水田雑草を中心に、花の進化についての講義。

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講師は全国森林インストラクター神奈川会の菅原啓之氏です。

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資料には里山の代表的な草花写真も載っていて
復習にも活用できそうです。

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お待ちかねのランチタイム。
黒川仕込みのお味噌を使い、今日は春野菜の汁物です。

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炊き立て羽釜ご飯はおこげも美味しい!
おかわり続出です。

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野外活動の植物観察は汁森神社からスタートです。

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樹形、樹皮、新緑、落ち葉、草花・・見るものがたくさん!
実物を手に丁寧な説明がされています。

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汁森神社を抜け「黒川海道特別緑地保全地区」への移動中も
さまざまな草花を目にすることができました。

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3月末に整備が終わったばかりの新ルートを探索。
以前は手入れの入っていない荒山で立ち入ることが難しかったそうです。

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この時期はホオノキの花が満開です。
見上げるような高さ、大きな葉、花の香りを体感できたことでしょう。 (事務局/石川)

2019年3月 2日 (土)

H30年度 入門コース 第19回「植物入門(4)」

日時:2019年2月26日(火)9:40〜15:00
場所:座学=生田緑地 宙と緑の科学館
   野外観察=生田緑地→広福寺→向ヶ丘遊園駅
講師:NPO法人全国森林インストラクター神奈川会 菅原啓之氏
参加者:受講者10名 サポートスタッフ2名

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曇りがちですが、春の気配も感じられる生田緑地での、インストラクター菅原氏による樹木のお話と観察です。
午前中の座学では、「森の仕組みと役割」をパワーポイント投影と共にご説明いただきました。世界に植物は27万種、内樹木は6万種、ブラジルが8,500種と多く、日本は1,000〜1,500種(植物全体は7千種)、木片の漢字は300字もあるそうです。

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身近な東山魁夷の樹霊や、ゴッホの糸杉などその底知れぬパワーが多く描かれています。
木は形成層から生長するという構造の説明から始まりました。

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植物の多くの機能を動物とに違いを含め説明いただきました。多くのセンサーを持ち、動かないけれども、多くの感覚機能で生き延びてきました。
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木には、人工的なサーカスツリー、面白い形のバオバブ、根をはるガジュマルなどいろいろな形態が有ります。

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世界、日本の太い木、高い木、寿命の長い木を紹介いただきました。木は葉の蒸散作用で水を上にあげるそうです。高さの限界は約130mとか、日本は台風などの強風が有り、60mが限界だそうです。
生態系の中で樹木の果たす役割は重要で他の生き物も樹木無しには生きられません。

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日本文化の象徴も、法隆寺のように樹木です。木の特性では、他の鉱物に引けを取らない強度が有ることが分かりました。森林の多機能には感謝すべきでしょう。日本列島の多様な森林帯、厳しいが自給率を戻しつつある日本の林業、一方で開発で、毎年消失している世界の森林には悲しいものが有ります。

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日本の身近な主要な樹木の紹介です。ツバキ、ヒノキ・スギ、コナラ・クヌギ、アカマツ・クロマツ、ウメ・モモなどのご説明をいただきました。

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最後に、森を守る文化の大切さをご説明いただきました。
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座学終了後、「宙と緑の科学館」の高中学芸員に、四季折々の樹木を中心に資料館のポイントを説明いただきました。

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午後は、生田緑地から、向ヶ丘遊園駅までの樹木観察です。
最初に、元は主要各県の樹木園だった森を観察。クロマツとアカマツの交雑がアイグロマツ、クスノキの葉の香り、

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アスナロ(ヒバ)の白い葉裏の気孔、アセビの花は下向くが、果実は上を向く、ウバメガシは備長炭、ヤマハンノキなどを説明いただきました。
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広場に出て、モッコク、スダシイとマテバシイ、香りの園では、もくれん科のコブシ、タイサンボクなどの産毛の役割(寒さ対策)、ジンチョウゲ、ミツマタなどを観察しました。
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海外から入った、メタセコイア、ラクウショウは針葉樹でも落葉する、日本自生ではカラマツが落葉するが、他は常緑である。
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岡本太郎美術館の階段を上り、ブナの虫に食われた姿が有りました。標高800mに生育するブナをここで育てるのは無理でしょう。

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上ると、ユーカリの大木、葉は香ります、オーストラリアには800種、内コアラが食べるのは20種程度だそうです。火災に強く他の植物が消失しても生き残れるそうです。
丘に上がると、総称プラタナス(アメリカスズカケ)がまっていました。

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そこからホタルの里へ下ります。オニグルミ、湿地で生きるハンノキ、故に湿地の保全が大切です。
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生田緑地を出て、平安時代からある古刹、広福寺を訪れます。

P2140045草のように見えるが木本のフッキソウ、文字が書ける葉書の木タラヨウ、

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ヤブツバキの古木、

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変わった実を付ける高齢のボダイジュ、羽子板の羽根の実のムクロジ、

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マンサクの面白い花、ニッキの香りのニッケイなど色々な樹木を観察しました。
旧鎌倉街道に出て、向ヶ丘遊園駅で解散です。
あっという間でしたが、菅原氏のうんちく話を含め、楽しく樹木観察ができました。早いもので、講座もあと一回となりました。
(久野)

H30年度 入門コース 第18回 「野鳥観察入門」

実施日: 平成31年2月19日 (火)
会 場:  横浜市金沢区 長浜ホール 及び 長浜公園
講 師:  (公財) 日本野鳥の会 主席研究員 安西 英明氏
御加者: 8期生11名、聴講: 1名、スタッフ4名
テーマ:  身近な野鳥の不思議な世界, 野鳥を切口として, 自然界の命の連環や生物多様性について理解を深める

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会場は長浜野口記念公園内の長浜ホール2F会議室で行いました。館内には野口英雄博士ゆかりの書籍や展示品がありました。

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座学での当初, いろいろな命について, “あっても良い”ではなく, “あるべき” という立場が重要との言葉や, 更に, 「他の生き物の存在について述べる時, “私達人類の他に云々”という言い方をするが, これは私達人類を中心とする“上から視線”的表現で、本来は“私達人類同様に云々”と言うべきです。」 との考えに, 大変共感しました。

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冬枯れという言葉があり, 冬に植物が死んでいるという印象ですが, とんでもない, 単に光合成をせず休んでいるだけ。冬芽には春に芽吹く新緑が準備をしています。決して枯れてなどはいないのです。
今の時期, 木はまだ緑が少ないので, 鳥を見るには実に好都合。
逆に夏は子育ては終わり頻繁にはえさを取らず, 求愛のさえずりもせず単なる地鳴に戻っているし, 鳥の種類によっては換羽して地味になってしまいます。

 

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スズメは一日1個産卵し, 数日間かけて数個を産卵をします。最後の卵(止め卵)を産んでから抱卵をはじめ、同時に孵化するように調整しています。成鳥は種食のスズメですが、雛は種を消化できないので、青虫をエサとして与えます。巣立つまでの2週間、約4,200回(1日300回)の虫運びを行います。種食のスズメにとって虫探しは大変でしょう。雄雌の共同作業です。巣立ち後, 約10日で自立しますので、子育ては約一か月。続いて次の産卵、年に2~4回の繁殖を行うとの事です。しかし、冬を迎えるまでにほとんどの雛が他の動物たちの餌食になってしまい、冬を越せるのは約1割。厳しい環境ですが、それで数のバランスが保たれています。

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ニワトリやカモなどの巣は地表近くにあり, 孵化後, 数時間で歩き始め, 餌をとり始めます(早成性)。鷹や動物に雛がねらわれるからです。彼らは恐竜に近い種類です。その後、森で虫や樹木と共進化した小鳥たちの巣は樹上にあり、親から給餌され, 巣立ちに数週間を要します(晩成性)。小鳥は枝先を移動するためにぴょんぴょん飛ぶホッピング型の歩き方です。尚, ひばりなどは, 小型化進化の後, 繁殖を森から平地に戻すのに適応しました。

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午前中の座学では大変な早口で, “聞きなし”の話題の時など, それこそ体全体を使ってジェスチャ付の大変解りやすく面白い講義でした。脱線につぐ脱線で話題が元に戻らないのではないかという心配もよそに, ちゃんと話が収まるから見事なもの。

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午後は“ものさしどり”の解説から。“すずめ”大, “むくどり”大, “ハト”大, “カラス”大 など実物大の写真図版を利用しての御説明。これらを基準に大きさの比較をするとわかりやすいのです。更に 日本探鳥会へのお誘いやら 書籍のご紹介。

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安西先生はしゃがんで参加者を見ながらお話し中に, 視界から高い位置の樹の枝にむくどりのペアを発見。ついで, カラスのペアの飛行, トビのペアの頭上旋回, 樹上のカラスの巣, つぐみが地上で虫をついばむ, などを見つけました。

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面白かったのは3羽のキジバト。1羽のメスをめぐって2羽のオスが争っています。どちらが勝つのか決着を見る前にばらばらになったので自分たちが見ている事が邪魔だったと反省。

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長浜公園には4か所に野鳥観察小屋があります。ここからは汽水池を泳ぐ水鳥や中洲で休む多くのカワウがはっきりと見えます。

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他の水鳥が活発に泳ぎ回るのに比べカワウは休む事に専念。あたかも前かがみに立っているようですが, これは足が相当後ろに付いているから。もっと後ろに付くとペンギンみたいに立つか あるいはカイツブリみたいに, 立つのが全く下手になるかです。

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カイツブリがひょこんと急に現れびっくりしていると, すぐまた潜水。足が胴体のかなり後ろに付いているのに体が浮いている状態から素早く潜る事ができるのが不思議。
白く大きなくちばしのオオバンが首を振り振り, かなりのスピードで泳いでいます。水かきが無いのにこのようなスピードで泳ぐくらいに達者。

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背の羽色が青灰色のアオサギの学名は“Ardea cinerea”, すなわち, “灰白色のサギ”。和名では単なる灰白色ではなく 蒼みがかった灰色のサギ。ところで, 足が赤みがかったピンク色の婚姻色なのはこの時期特有。

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コサギやらダイサギがやってきて, 皆は, あれはどっちだと騒ぎます。足先が黄色く見えればコサギ。見えない場合は獲物の採り方で判定可能。すなわちダイサギはじっと待つ型, コサギは片足を前に出しふるわせる型。ところでシラサギという名のサギはいません。

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カルガモ以外は来月にはロシアに帰るカモ。多くのカモが泳ぎ, たまにプリッとしたお尻を水面に出して逆立ちしています。潜る/潜らないは足の付いている位置によります。 潜るカモ(潜水ガモ)はキンクロハジロとホシハジロ。潜らないのは(淡水ガモ), オナガガモ, コガモ, ハシビロガモ, ヒドリガモ, マガモ それにカルガモ。

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帰路は鳥以外にも目を配ります。スズメノカタビラを見つけ, これはイネ科だと即座におっしゃり, 分類上の目とか科の特徴を覚えると役に立つとコツを伝授。 リュウノヒゲを見つけましたが, 青紫の実は既に無くなっていました。 安西先生曰く, このリュウノヒゲはアカハラが食べた実から出た未消化の種から発生したのではないかと。 その他, 実に多くの植物の解説を頂きました。
安西先生は鳥類のみならず, 昆虫, クモ, 植物等の専門家でもありますが, 本日はその安西パワーが全開の, 実に盛り沢山で充実した一日でした。
(文責: 紺谷)

2019年2月 7日 (木)

H31 入門コース 第17回「里山の文化(3)」

実施日:平成31年1月29日(火)
会場:川崎市黒川青少年野外活動センター
講師:川崎市黒川青少年野外活動センター 所長 野口 透 氏
参加者:8期生10名 聴講生1名 サポートスタッフ3名
テーマ:里山の文化(3) ~日本の食文化 発酵食のススメ~

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午前中は、米糀、麦麹づくりの実践。作業の前に、野口所長より麹・糀とは何かのお話。
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・麹・糀とは、食品発酵に有効なカビを中心にした微生物のこと。

・味噌・醤油・日本酒などの発酵食品を製造するのにつかわれる。

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・日本酒などでは、もともと自然にあったものを繰り返し使用しているが、味噌や醤油では、業者が供給する種麹をもっぱら使用している。
センターで3日前に作った米糀を試食。

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いよいよ作業開始。先ずは、昨日といでおいた米と麦を蒸し器に移し、

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お湯を沸騰させた釜で50分間蒸す。

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その間の待ち時間には、麹菌を舐めてみたり、米糀味噌1,2,3年物、麦麹味噌1,2年物の食べ比べ。一番人気は、米糀味噌1年物、やはり味がまろやか?

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そうこうするうちに50分経過。
・先ずは、麹菌は熱で死ぬため桶に移して人肌程度に冷ます。
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・冷ましたところで、麹菌をまぶし、
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・麹ぶたに移す。
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・米はかまぼこ状に、麦は平らに。
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・これを室にいれ、暖めて発酵させる。室はホットカーペットを敷いたこたつ状のもの。
・42℃になると麹菌が死ぬので、温度管理は大事。
・20時間後に一度手返し、さらに5時間ごとに二度手返しすれば、完成。
室に入れたところで、作業は終了。後は野口所長にお任せ。2月の味噌づくりに使用します。

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昼食では、黒川自家製の味噌を使った味噌汁を堪能。
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午後は、今度は醤油づくり。但し、全行程は時間が足りないので、強力粉を煎る作業を実践。
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・小麦から作るのが本来だが、簡単で、意外と味もまろやかということで、小麦粉から。
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・白い強力粉をキツネ色になるまで約20分煎るのは、結構大変。全員が交代しながらきれいなキツネ色になりました。
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さらに、センターで作っている塩麴、アンチョビ、柿酢、みりんのつくり方の説明や実際に醤油、柿酢、みりんを舐めてみたりしました。
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最後に、スライドを使って「日本の食文化」の講義。
・和食、発酵調味料や発酵食品の効能、発酵と腐敗の説明など日本が発酵に適した気候・風土であり、
 日本独特の食文化を育んできたかを分かり易く解説いただきました。
皆さん、身近なものについての説明に熱心に聞き入っておられ、無事終了しました。
文責:西尾

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