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2019年3月 2日 (土)

H30年度 入門コース 第18回 「野鳥観察入門」

実施日: 平成31年2月19日 (火)
会 場:  横浜市金沢区 長浜ホール 及び 長浜公園
講 師:  (公財) 日本野鳥の会 主席研究員 安西 英明氏
御加者: 8期生11名、聴講: 1名、スタッフ4名
テーマ:  身近な野鳥の不思議な世界, 野鳥を切口として, 自然界の命の連環や生物多様性について理解を深める

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会場は長浜野口記念公園内の長浜ホール2F会議室で行いました。館内には野口英雄博士ゆかりの書籍や展示品がありました。

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座学での当初, いろいろな命について, “あっても良い”ではなく, “あるべき” という立場が重要との言葉や, 更に, 「他の生き物の存在について述べる時, “私達人類の他に云々”という言い方をするが, これは私達人類を中心とする“上から視線”的表現で、本来は“私達人類同様に云々”と言うべきです。」 との考えに, 大変共感しました。

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冬枯れという言葉があり, 冬に植物が死んでいるという印象ですが, とんでもない, 単に光合成をせず休んでいるだけ。冬芽には春に芽吹く新緑が準備をしています。決して枯れてなどはいないのです。
今の時期, 木はまだ緑が少ないので, 鳥を見るには実に好都合。
逆に夏は子育ては終わり頻繁にはえさを取らず, 求愛のさえずりもせず単なる地鳴に戻っているし, 鳥の種類によっては換羽して地味になってしまいます。

 

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スズメは一日1個産卵し, 数日間かけて数個を産卵をします。最後の卵(止め卵)を産んでから抱卵をはじめ、同時に孵化するように調整しています。成鳥は種食のスズメですが、雛は種を消化できないので、青虫をエサとして与えます。巣立つまでの2週間、約4,200回(1日300回)の虫運びを行います。種食のスズメにとって虫探しは大変でしょう。雄雌の共同作業です。巣立ち後, 約10日で自立しますので、子育ては約一か月。続いて次の産卵、年に2~4回の繁殖を行うとの事です。しかし、冬を迎えるまでにほとんどの雛が他の動物たちの餌食になってしまい、冬を越せるのは約1割。厳しい環境ですが、それで数のバランスが保たれています。

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ニワトリやカモなどの巣は地表近くにあり, 孵化後, 数時間で歩き始め, 餌をとり始めます(早成性)。鷹や動物に雛がねらわれるからです。彼らは恐竜に近い種類です。その後、森で虫や樹木と共進化した小鳥たちの巣は樹上にあり、親から給餌され, 巣立ちに数週間を要します(晩成性)。小鳥は枝先を移動するためにぴょんぴょん飛ぶホッピング型の歩き方です。尚, ひばりなどは, 小型化進化の後, 繁殖を森から平地に戻すのに適応しました。

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午前中の座学では大変な早口で, “聞きなし”の話題の時など, それこそ体全体を使ってジェスチャ付の大変解りやすく面白い講義でした。脱線につぐ脱線で話題が元に戻らないのではないかという心配もよそに, ちゃんと話が収まるから見事なもの。

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午後は“ものさしどり”の解説から。“すずめ”大, “むくどり”大, “ハト”大, “カラス”大 など実物大の写真図版を利用しての御説明。これらを基準に大きさの比較をするとわかりやすいのです。更に 日本探鳥会へのお誘いやら 書籍のご紹介。

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安西先生はしゃがんで参加者を見ながらお話し中に, 視界から高い位置の樹の枝にむくどりのペアを発見。ついで, カラスのペアの飛行, トビのペアの頭上旋回, 樹上のカラスの巣, つぐみが地上で虫をついばむ, などを見つけました。

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面白かったのは3羽のキジバト。1羽のメスをめぐって2羽のオスが争っています。どちらが勝つのか決着を見る前にばらばらになったので自分たちが見ている事が邪魔だったと反省。

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長浜公園には4か所に野鳥観察小屋があります。ここからは汽水池を泳ぐ水鳥や中洲で休む多くのカワウがはっきりと見えます。

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他の水鳥が活発に泳ぎ回るのに比べカワウは休む事に専念。あたかも前かがみに立っているようですが, これは足が相当後ろに付いているから。もっと後ろに付くとペンギンみたいに立つか あるいはカイツブリみたいに, 立つのが全く下手になるかです。

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カイツブリがひょこんと急に現れびっくりしていると, すぐまた潜水。足が胴体のかなり後ろに付いているのに体が浮いている状態から素早く潜る事ができるのが不思議。
白く大きなくちばしのオオバンが首を振り振り, かなりのスピードで泳いでいます。水かきが無いのにこのようなスピードで泳ぐくらいに達者。

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背の羽色が青灰色のアオサギの学名は“Ardea cinerea”, すなわち, “灰白色のサギ”。和名では単なる灰白色ではなく 蒼みがかった灰色のサギ。ところで, 足が赤みがかったピンク色の婚姻色なのはこの時期特有。

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コサギやらダイサギがやってきて, 皆は, あれはどっちだと騒ぎます。足先が黄色く見えればコサギ。見えない場合は獲物の採り方で判定可能。すなわちダイサギはじっと待つ型, コサギは片足を前に出しふるわせる型。ところでシラサギという名のサギはいません。

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カルガモ以外は来月にはロシアに帰るカモ。多くのカモが泳ぎ, たまにプリッとしたお尻を水面に出して逆立ちしています。潜る/潜らないは足の付いている位置によります。 潜るカモ(潜水ガモ)はキンクロハジロとホシハジロ。潜らないのは(淡水ガモ), オナガガモ, コガモ, ハシビロガモ, ヒドリガモ, マガモ それにカルガモ。

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帰路は鳥以外にも目を配ります。スズメノカタビラを見つけ, これはイネ科だと即座におっしゃり, 分類上の目とか科の特徴を覚えると役に立つとコツを伝授。 リュウノヒゲを見つけましたが, 青紫の実は既に無くなっていました。 安西先生曰く, このリュウノヒゲはアカハラが食べた実から出た未消化の種から発生したのではないかと。 その他, 実に多くの植物の解説を頂きました。
安西先生は鳥類のみならず, 昆虫, クモ, 植物等の専門家でもありますが, 本日はその安西パワーが全開の, 実に盛り沢山で充実した一日でした。
(文責: 紺谷)

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