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2019年1月28日 (月)

H31専科コース 第9回「春の七草・正月に関連する植物」

実施日:平成31年1月17日(木)

会場:四季の森公園

講師:全国森林インストラクター神奈川会 久野正樹氏

テーマ:春の七草と正月に関連する植物

参加者:受講者12名 サポートスタッフ1名

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午前中は、久野先生に、正月の風習と自然の関係をテーマにお話をしていただきました。

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正月:旧暦(太陰太陽暦)でいう、1年の初めの月のことです。農事が始まる頃先祖の神「正月様」を迎えるので正月になるという考えです。「年神様」または「歳徳神」とも呼ばれています。新年が近付いてくると、徐々に玄関先に飾られ始める正月飾り。門松と注連縄。正月花にはさまざまな種類の花が使用され、それぞれに縁起が良いとされる理由があります。

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注連縄(しめなわ):神社神道では「社」・神域と現世を隔てる結界で、御霊代・依代として神がここに宿る印です。天照大神が天岩戸から出た際、二度と天岩戸に入れないよう太玉命が注連縄(「尻久米縄」)で戸を塞いだのが起源です。注連縄を張る行為には「なわばり」「結界を張る」という意味があります。

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ウラジロ:左右に2枚の葉が広がることから「夫婦円満」を、さらに葉の裏が白いことから「清らかな心」を表します。

ダイダイ:「一族の代々繁栄」を意味です。

ユズリハ:新しい葉が伸びた後、古い葉が黄色くなり落葉する様子が次の世代へ「譲る」ことを連想させ、「親から子への世代交代」の祈願を表します。

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門松:年神様が家を見付けやすいように、家の目印として松の飾りを立てたことが門松の始まりです。門松に飾られる植物は、縁起の良い松・竹・梅です。「歳寒三友(厳寒三友)」と称され、寒い冬でも葉が枯れず、強さからお正月の「縁起物」として尊ばれてきました。

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鏡餅:正月飾り(床飾り)。 穀物神である「年神(歳神)」への供え物で、「年神(歳神)」の依代です。昔の青銅製の鏡の形に似ていることから鏡餅と呼ばれます。

「鏡=鏡餅、玉=橙、剣=串柿」で三種の神器を表しているとも言われる。

御節、雑煮、屠蘇など、正月にいただくものは多様性が有り、日本人の食の原点の一つと言えます。腸内細菌にも優しく、年の初めに心身を健やかに迎えるにはふさわしい食と言えます。

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御節料理:御節供を略し、節日に神に供える食べものです。正式には四段重で、完全を表す三にもう一つ重ねる意味があります。また、四は春夏秋冬を表しています。一の重には祝い肴のうち三つ肴と口取り、二の重には焼き物、三の重には煮物・酢の物、与の重には酢の物・煮しめを入れます。(四は死を想起させるため「与の重」と呼ぶ。)

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雑煮:餅を主な具とし、醤油や味噌などで出汁を味付けたつゆをはった料理です。室町時代に書かれた『鈴鹿家記』に初めて「雑煮」という言葉が登場します。正月に餅料理を食する慣習は古代より「歯固」の儀式と結び付き発生しました。

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屠蘇:一年間の邪気を払い長寿を願って正月に呑む縁起物の酒です。「屠蘇」とは、「蘇」という悪鬼を屠(ほふ)るという説や、悪鬼を屠り魂を蘇生させるという説などがあります。数種の薬草を組み合わせた屠蘇散を赤酒・日本酒・味醂などに浸して作ります。

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春の七草:人日の節句(1月7日)の朝に、七種の野草・野菜が入った粥(七草粥)を食べる風習です。邪気を払い万病を除く占い。お正月に若菜を摘んで食べる「若菜摘み」という風習があり、七草の原点とされています。『延喜式』には餅がゆ(望がゆ)という名称で、「七種粥」は、『土佐日記』・『枕草子』にも登場します。

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七草粥:七草をすべて合わせると約12種類の薬膳効果があり、ビタミン・ミネラルは約7種類含まれます。なぜこの7つが「春の七草」となっているのかはさだかではありません。ただ、1つ1つにはとても縁起の良い意味が込められています。

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セリ(芹)セリ科:競り合うように生えていることから、この名がつきました。この名前に「競り勝つ」という意味をかけて、縁起物にされている食材です。

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ナズナ(薺)アブラナ科:別名はペンペングサ、シャミセングサ、バチグサなどと呼ばれています。ナズナ(薺)は、麦栽培の伝来とともに日本に伝わった史前帰化植物で、「なでて汚れをはらう」とされる縁起物です。

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オギョウ(御形)キク科:オギョウは、ハハコグサの別名で、史前帰化植物です。庶民は白い植物のハハコグサで母と子のけがれをはらいました。草餅は元々、ハハコグサを餅に搗き合わせていましたが、母と子を搗き潰すのは縁起が悪いとのことで使われなくなりました。

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ハコベラ(繁縷)ナデシコ科:ハコベラは「波久倍良」として、平安時代の辞書類の『新撰字鏡』や、『本草和名』、『和名類聚抄』などに見られます。「繁栄がはびこる」として、縁起のよい植物とされている。

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ホトケノザ(仏の座)キク科:現在の紫紅色の花を付けるホトケノザではなく、タビラコ(田平子)を指し、食用にするのはコオニタビラコ(小鬼田平子)とされます。春の七草のタビラコはキク科で黄色い花を付けます。まさに名前から縁起物です。

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スズナ(菘・鈴菜)
アブラナ科:正式名はカブ(蕪)。「神を呼ぶ鈴」として縁起物とされてきました。古代中国やギリシャの史料にも登場し、古くから人々に食されています。

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スズシロ(蘿蔔・清白)アブラナ科:大根。根は「汚れのない純白さ」を表し、スズシロと呼ばれるようになりました。根の部分に特にジアスターゼが多く含まれ、食物の消化を促進します。

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午後からは四季の森公園で、冬の植物の様子を観察しました。

今回のテーマは、「寒い冬を植物たちはいかに過ごし春の準備をしているか?」

草では、地面に伏せるように張り付いたロゼッタと呼ばれる体制で冬を越えるものがあります。地面に伏せていれば、風の影響は少なく、地面の温度で寒さをしのげます。大きく葉が広がることで、日の光を沢山受けることも出来ます。

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木は葉を落とし、葉で消費されるエネルギーを抑えてエコな体で冬を乗り越えます。葉を落とす前に実を実らせ次の世代の準備をしておきます。

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枝には、葉芽や花芽を準備し、春にははを茂らせ、花を咲かせる準備が整っています。

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今回は水辺につがいのカワセミの姿を見ることができました。(写真撮影:下尾7期)

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冬とはいえ、天気も良く、自然のさまざまな顔を楽しむことが出来ました。(檀野)

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