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2018年12月

2018年12月13日 (木)

H30 専科コース 第8回「食と健康を考える」

H30 専科コース 第8回「食と健康を考える」

 

実施日:平成30123

会場:都筑中央公園

講師:全国森林インストラクター協会神奈川会 小池一臣氏 久野正樹氏

テーマ:食と健康を考える~見直そう 日本の伝統的食文化~

参加者:18 サポート2

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神奈川県横浜市都筑区にある横浜市立の都市公園である都筑中央公園にて「食と健康についての講義と自然観察会」を行いました。

都筑中央公園のある港北ニュータウンは「緑の環境を最大限に保存するまちづくり」を目指し、山や斜面・谷など、もとあった土地の特性を活かし、地形の特性にあった多様な自然環境を残した地域です。

講師の小池先生は、55歳という年齢でアトピーを発症し、9年間の通院治療を余儀なくされました。その後、行き着いたのが「適度な運動・規則的な生活・生活管理」だったのです。

今回は「食生活」を中心に、日本の食の現状や日本人の体質にあった具体的な献立などを詳しく教えて頂きました。

現在の日本は、農薬と添加物に溢れており、食品ロスは1/3で世界トップクラス、農薬は世界3位という驚愕の事実を知りました。

さらに驚くことに、アジア圏や欧米、北欧などの中で農薬散布量は中国が一位、次いで二位が日本表中の9カ国では最も農薬が少なかったのはアメリカ。

戦後の日本の食生活は欧米化し、穀物からパン食へ、野菜や魚から加工食品へと変わっていきました。

また、カルシウムが多く含まれていると認知されている牛乳は現在の学校給食文化にも根強く残っていますね。

「大人になっても、乳を飲んでいるのは人間だけ!という先生の言葉が衝撃的だった」という講義に参加された方の感想に他の受講者の方も深く頷く姿がありました。

日本には、カルシウムや乳酸菌を含む食品は牛乳以外もたくさんあり、桜えび、しらす干し、油揚げ、大根の葉などのカルシウム量の豊富さを数値で確認することができました。

また食は欧米化が進んでいますが、根本的な体質が変わることはなく「日本人はわかめなどの海藻を分解する酵素を持っている人種であること、日本人の腸内フローラには良質な食物繊維を含む穀物が有効」ということも初めて知りました。

今回の講義では“大量生産・コスト削減、多様な加工食品が溢れる便利な生活と農薬や添加物の増加は表裏一体であること”を深く考えさせられる時間となりました。

便利な生活を切り離すということなかなか難しいことだと思いますが、このような生活のメリット・デメリットを正しく認識し、できる範囲で自分の生活を楽しみながら管理することが大切だということを学びました。

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昼食後、港北ニュータウンの歴史に触れた後、いざ中央公園にて自然散策です。

公園内は、緑の環境を積極的に保存するため、樹林地一部に人が入れないようにしたり、意図的に草刈りをし過ぎない区画を作ったりなどの工夫で生物(様々な植物、動物、昆虫、鳥)優先の空間が設けられています。

12月の公園内は秋の紅葉も落ち着き、初冬の静けさが感じられます。植物たちは冬支度をしており、空からは色とりどりの葉が舞い落ちてきます。

さまざまな葉の中に、とりわけ目を引く“くるくる回りながら落ちてくる葉”…それは、ケヤキの葉でした。よく見ると、その葉には小さな実(種)が付いています。

ケヤキは植物が食べたいと思うような果肉などはない代わりに、風に運ばれ遠くへ飛ぶ羽の役割(翼果)を身につけたのですね。

写真には載っていませんが、イヌシデの葉と種は天使の羽のようで可愛らしかったです。

植物の種散布方法は、多種多様で知れば知るほど奥深いものだと感じました。

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ふと寒々しい木々に目をやると…かわいい蓑虫が(ピントがボケてしまったのが残念!)

「最近、蓑虫って見てなかった気がするなぁ」「確かにそうだねぇ」と心和む会話をし、本日の講義を終えました。

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(事務局)

2018年12月 7日 (金)

H30 TEAMはまとびむし 12月

海岸美化プロジェクト 12月の活動
実施日:2018年12月 4日(火)
会場:オーシャンファミリー海洋自然体験センター&一色海岸
テーマ:一色海岸のプラスチックゴミ拾い
参加者:13名
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とってもとっても減っていかない。その多さにほとほとビックリする。
ナゾナゾなら「年齢」って答だが、海岸にうちよせられたマイクロプラスチックである。







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「いったい、どれほどの量があるのだろう」、見当もつかない。先月に続き2回目の収集だ。一色海岸全量の100万分の1ほどは減ったのだろうか。「いや、おそらくppmではなくppbの世界か」やれやれ。





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ニュージーランドのある浜辺で、海岸に沿って1mおきに10万個以上のレジンペレットが見つかったとネットに紹介されている。「どうやってカウントしたの」と疑問はあるが、ともあれ、とんでもなくスゲー量である。マイクロプラスチックのひとつであるレジンペレットは、一見、丸くてカラフルでかわいい。「これって一体なに、どこからきたの、どうして海岸にあるの」、本当に不思議でならない。

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調べてみた。プラスチック製品を作るための原材料で、輸送中にこぼれ、漏れだし、風雨に飛ばされ流され、最後は海にたどり着くとある。「本当に?そんなに沢山こぼしたの、ウッソー」、だったら「流出させた責任はプラ製品をつくる一連の企業にあるよね」っていいたい。


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この先まだまだ海に流れ込むのか、あるいは既に対策がとられて減少傾向になったのか、あなたたち「教えておくれ」。レジンペレットは海流にのり全世界へ移動する。対策は開発途上国を含めた地球規模でないと意味がない。「自分ちだけ良くしてもダメだよ」。


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「海岸美化」、「海と親しみ楽しむ」や「海洋プラスチックゴミへの意識啓発」などなど、「TEAMはまとびむし」への参加目的はメンバー個々に違っているのかもしれない。



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いずれにせよ、国連などが旗をふっているSDGs No14『海のゆたかさを守ろう』の目標に沿った活動に他ならない。貝、魚や水鳥などの体内からマイクロプラスチックやそこから溶けだしたとみられる有害物質がみつかっている。生物や環境への影響が心配される。もう待ったなしの状況かも。難題だ。

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手と足が動くかぎり、ほんの少しでもいい、海洋と海洋資源の保全につながるこの活動をつづけていきたい。 

 (記)桝屋

2018年12月 3日 (月)

H30 専科コース 第7回「震生湖誕生の歴史と周辺地域の自然を探る」

実施日:平成30年11月29日
会場:震生湖周辺
講師:全国森林インストラクター協会神奈川会 大橋康雄氏 菅原啓之氏
テーマ:震生湖誕生の歴史、秦野盆地とその周辺の地形や湧水について学ぶ
参加者:22名 サポート2名

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震生湖と秦野盆地について、地形面の解説を中心に聞きながらの観察会です。
大橋先生・菅原先生の2班で観察開始です。
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今回は国土地理院2万5千分1地形図「秦野」を教材に用意して、地図を読みながらの活動です。

◆2種類の川

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まずは「水無川」

川筋はほぼ直線で、河床は砂利が多いのが特徴。

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川筋が直線なのは、高低差が大きいため

「水無川」の源流は丹沢山地。丹沢は昔々島でした。500万年前に本州と衝突し、100万年前には伊豆半島が丹沢に南から衝突、丹沢は激しく隆起し丹沢山地となりました。

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丹沢山地を川が侵食して、砂利を体積して出来た扇状地が秦野盆地です。ですから河床には砂利が多く、水は地下に浸透します。なので「水無川」の水量は少ないのでしょう。地下に浸透した伏流水は湧水として出てきます。

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そして「室川」 こちらの川筋はくねくねと曲がり、河床には岩盤が覗いています。

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川筋がくねくねと曲がるのは、高低差は少ない平坦な所を流れるためです。こちらは、扇状地の扇端部分なので、砂利の堆積はなく岩盤が現れます。湧水を集めて流れる川なのです。

◆秦野盆地の湧水群:扇状地に浸透した伏流水が、色々な場所から湧き出し湧水群をとなります。秦野盆地の伏流水の量は、芦ノ湖の1.5倍と言われています。

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弘法の清水

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寿徳寺湧水地

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小藤川遊水地

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まいまいの泉(公民館)

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今泉名水桜公園:湧水が溜まった池です。なかなかの水量があります。

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白笹稲荷神社:関東三大稲荷神社 

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左:昔の井戸  右:一般家庭で自噴している湧水

◆渋沢断層

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渋沢断層は大磯丘陵と秦野盆地を境する断層で、この断層が活動したために秦野盆地が生まれました。渋沢断層の大磯丘陵側からの秦野盆地の眺望はなかなかです。断層活動前は「水無川」は、中井町を通って南へ流れていました。

◆震生湖の誕生

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震生湖は1923年9月1日に発生した関東大震災により、大磯丘陵が地滑りを起こし、土砂が市木沢を閉鎖し、堰止湖を作りました。それが震生湖です。地滑りの原因は、6万年ほど前の箱根山の大噴火で降り積もった大量の軽石層に雨が浸透し滑りやすくなっていたためと考えられています。東京軽石層は、横浜や東京でも20~30cmほど堆積しているので、今後の大地震では、地滑りの可能性あるため、皆さんの住んでいるところでも注意が必要です。

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最後に、湧き水で作っている豆腐屋「三河屋」に寄って、美味しいお豆腐をお土産にしました。

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紅葉の1日、地学の解説を聞きながら眺めた、震生湖・秦野盆地は興味深く、今までとは違った感覚で眺めることができました。 (檀野)

H30 入門コース 第14回「紅葉の仕組みと植物の生存戦略」

実施日:平成30年11月27日
会場:大和市 泉の森公園
講師:全国森林インストラクター協会神奈川会 久野正樹氏
参加者:8期生11名 聴講生1名 サポートスタッフ2名

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午前中は泉の森公園内「シラカシの家」多目的ホールで、植物の生存戦略と紅葉の仕組みについて久野先生からパワーポイントを使っての解説を受けました。
●植物の生存戦略

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まず、紹介されたのがユーカリ。ユーカリの樹皮は非常に燃えやすく、火が付くと幹からはがれ木を守り、葉が焼け落ちることで、成長を抑制する物質がなくなり、つぼみは発芽します。更に種子は火にあぶられ殻が割れ一斉に発芽します。ユーカリは山火事を誘発し地域を独占する戦略を持っています。植物には驚くような生存戦略を持つものがいるものです。
●植物に必要な要素は、太陽の光 空気 水 の3要素

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太陽の光:植物は太陽の光を使って光合成を行う生産者です。デンプンや糖分(有機物)を作ることができるのは植物だけです。植物は葉の葉緑体で光合成を行うので、葉には太陽の光が沢山当たらなければ光合成はできません。植物が作った有機物のお陰で動物が生きていけます。

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空気:光合成には、空気中のCO2が欠かせません。CO2は葉の気孔から取り込みます。太陽の光がない夜は、植物も呼吸しています。この時は酸素を気孔から取り込んでいます。

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水:水を運ぶのは導管、光合成で作られた糖分を運ぶのは師管です。水や糖分だけでなく、成長を促進したり抑制するホルモンも運ばれます。地面の水を木の上まで上げる仕組みは、根の根圧 細胞の吸水力(浸透圧) 水の凝集力 気孔の蒸散が繋がって上げています。
●環境適応戦略

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ヤツデ;枝を伸ばし大きな葉を茂らせ、太陽光を受けると共に影を落とし他の植物の邪魔をします。
アセビ;全草に毒があり、昆虫や動物の食害から自身を守ります。
サクラ;葉に蜜腺を持ちアリを呼び寄せ、昆虫の食害から自身を守ります。
セイヨウタンポポ;単為生殖 受粉の必要がないので昆虫のいない都会でも種子を作り分布を拡大できます。
●植物の冬越し作戦

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植物は、寒く乾燥する冬を越すために様々な工夫を凝らしています。
葉を落として、幹と枝のみで冬眠するように冬をやり過ごす落葉樹。葉を落とすときになぜ葉が紅葉するのでしょう?

Sksns1811ppt落葉樹は離層を作り葉を落とします。秋の短い日照時間と気温の低下を木が感じ、成長を抑え休眠を誘う植物ホルモンの生産を葉で始めます。落葉樹は葉を落とし、生命活動を最低限まで落として休眠に入ります。

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秋になって気温が下がると糖分や水分の供給をストップします。そうすると、葉緑素が壊れてしまい、今まで見えなかったカロチノイドという黄色い色素が浮き出て見え、これがイチョウなどの黄葉です。

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また、葉に残った糖分によってアントシアニンという赤い色素ができると、赤い色が目立ってきてカエデなどの紅葉になります。
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カエデの語源は、葉の形がカエルの手にいていることに由来しています。日本には29種ものカエデがあります。
モミジの語源は、葉が赤・黄に色付く事を表す「紅葉つ・黄葉つ(もみつ)」に由来します。
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◆午後はフィールド観察です。

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紅葉は正に見頃、水源地の向こうまで足を延ばし紅葉を楽しみました。

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実りの秋、種子も沢山なっていました。風で飛ばす物、鳥に運んでもらう物、植物の生き残り戦略が垣間見えます。

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大きなクヌギが、夏の台風の影響で倒れていました。片づけはしっかり終わっていました。上を見上げると、葉の間から青空が開いています。地面に日が当たるようになり、新しい芽がでることでることでしょう。

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池には、カモがやって来ていました。

写真には取れませんでしたが、カワセミの姿も見えました。

天気も良く、紅葉の1日を学びと観察で楽しみました。(檀野)

2018年12月 1日 (土)

H30 流域プロジェクト 第3回(通算第10回) 小網代の森

実施日: 平成30年11月15日(木)
会場: 三浦市 三崎町小網代
講師:NPO法人 小網代野外活動調整会議 所属ガイド
テーマ:源流から生態系が途切れずに海まで連なる流域を, 木道を歩き景観を楽しむ
参加者: 会員9名+事務局1名
 

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いくつかの谷の小川は浦の川に合流し, 小網代湾の河口干潟に注ぎ, 相模湾へと繋がります。源流から海まで生態系が途切れずに連なる流域は, 関東地方では唯一。各小川が浦の川と合流する毎に変化する風景を観ます。ガイドさんは小網代の森の保全活動の, 初期の地道な調査/構想段階から現在の回復作業まで30年以上も参画しておられるベテラン女性。5か所の合流個所で変化する景色の御説明を頂けます。注意と体操後, 出発。
 

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総計130段以上もある下り階段には, 数段下る毎に踊り場があり, ゆっくり谷底へ。
 





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クサギが, 深いエンジ色の実を一杯に実らせており, 秋。クサギの草木染の解説の時, 参加者の一人が着けている絹のスカーフの水色の染色をこのクサギの実で染めたと御発言! のっけから絶妙。クサギとは,昔の命名。葉の匂いは, 臭いどころか, むしろ, ピーナツバターの様で, おいしそう。クサギの花には各種のアゲハが集まります。お隣にはカラスザンショウ。クサギの蜜を吸ったアゲハはお隣に卵を産み, お隣が幼虫を育てます。今の時節には非常に多くのアゲハの蛹が春を待っています。

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ヤマフジは春に見事。ヤマフジの実は熟すのに2年も要します。花が咲く前の, まだ寒い時に実が弾け飛び, その音でびっくりするほど。





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コナラの根返り: 樹木は大きくなると根が岩盤や土壌をわしづかみして安定します。 が, 大きくなりすぎ限度を超えると倒れます。木が薪炭用だった昔には根返りはありません。が, 今や薪炭のためには刈られず, 大きくなりすぎ, 台風などで根返りするのです。


 

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まだ現役の水道管が土表に露出: 小網代が居住区域に指定された70年代に埋設されました。その後, 蔽っていた土砂が流出。保全では, 川に杭を打ち横木を通して流れを止め, 土砂を溜める工事が施されました。溜まった土砂は段々と水道管を埋めます。また, 水が流れ出てしまう前に長く溜め置く事により地下水位が上がり, 湿地化できます。

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この辺から下流には田圃があり, 太陽の光が当たっていました。ガイドさん曰く, 保全時には, 水の流れに手を入れ, 湿地に太陽の光が当たる様にする事だとの事。川底の藻にも太陽の恵みが行く様に, 場所によっては樹木を伐採処理します。
 


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第1合流点近くのアスカイノデ: 芽吹きの状態が猪の手に似ているのでイノデという名の大変大振りのシダ。潮風が大好きなので小網代の森には最適。晩秋の今は深緑色。春には芽が柔らかな萌黄色に伸び, 大変きれい。崖辺りにアスカイノデが群生しており恐竜も居るよう。この崖の保全前の笹だらけの乾いた所の名残がまだ残っています。

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小柄なセイタカアワダチソウ: 外来種なので根絶せねばならないという人がいます。が, 花が極めて少ない時にも花を咲かせ, チョウなどの蜜を吸う昆虫にとっては大変貴重。現にアサギマダラはここで蜜を吸い栄養を付けて南に渡ります。
 



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 第2合流点あたり: トンボのように目近に川面を見て歩きます。トンボのオスは強いほど良い場所に陣取り, これ見よがしに自分の姿を見せつけるのでメスが寄ってくるのです。
 
ハンノキ: 田圃を作る湿地で, 地面もしっかりしている場所はハンノキも大好き。初夏にハンノキと共に生きるミドリシジミを観る事が出来ます。


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セキショウ: 昔は土手の形を保つために植えられました。ここでは川の流れにバイパスを設け, 従来よりも水が長く川に留まる様な治水をしました。これで地下水位があがり湿地化できます。このバイパス用の小川の流れをセキショウが保ちます。
 



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カラスウリ: 橙色に実ったカラスウリ。花は, 夏の日没から25分後に咲きます。アカテガ二の放仔も大潮の晩, 日没から25分前後。アカテガニのオスが遺伝子を残す戦略についてもお聞きし, 参加者一同, オスも大変と同情。アカテガニは水が嫌いなので, 放仔の時, お母さんカニはおなかをあまり海に付けないでお産をするとの事。

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第3合流点あたり: 地面はぐちゃぐちゃ。普通の木は根を固定できず大きくなりません。が, ジャヤナギは大きくなって倒れると, その場所から新しい若木が育ちます。倒れた幹はヘビが伏せるように見えるのでこの名がついています。また, 強風で折れた小枝は遠くに飛ばされても着地した場所で成長します。雌雄異株で本邦では雌株だけとのことでした。




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ヤナギと来ればホタル。暗くなってからではなく, 夕方の日暮れ頃から光りはじめます。保全活動以前には存在するのかどうか危ぶまれていたホタルも今や回復したとの事。
 ここでも水道菅が剥き出し。水の流れにバイパスを作り治水。地下水位があがると笹は自然と枯れます。その後, 湿った地面が好きな数珠玉やガマが生えてきます。




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第4合流点はヤナギテラス: この北には保全中の大きな谷があり, 水量も多そう。ここから先の木道周囲には, アシ=ヨシ, オギやススキ等のイネ科植物が広がり, 金色の草紅葉。まさに日本の秋!







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スズメが多く群がっており昼食に夢中で, 逃げて行かず, スズメにとっても恵の秋!
オギの漢字は, ケモノ編に火。英名では ”Amur silver-grass” すなわち “アムール河の銀色草”。詩を感じます。

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鉄バクテリア: ヨシやイネの根の周囲など水の移動量が少ない所には, 鉄バクテリアがいます。落葉を基にした腐葉土はフルボ酸を作り鉄と化合して海へ鉄を供給し, 植物/植物性プランクトンの生長を促します。鉄バクテリアが繁殖しているという事は, 生物が利用可能な鉄イオンが豊富な証
拠です。





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オオシマザクラ: 田植などの共同作業が始まる前のお花見は一致団結を図るのに欠かせません。保全作業が始まる前には非常に高く伸びた笹に埋もれていたオオシマザクラは, 昨年あたりからお花見ができるようになりました。
 






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意図せずにできた池: 自然に池ができた, と思っていたら, いつの間にか, カエルも棲み始め, オタマジャクシも棲むようになったとの事。自然には, 本来, 大きな回復力があり, 保全活動はそのお手伝いをしているとの事。
エノキテラスを通りかかる: エノキはしっかりしていて湿った土地でも倒れないため, 昔は他の土地との境に植えました。このエノキも, 保全作業以前には3mもの高さの笹に覆われていたとの事。 



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 眺望テラス: 浦の川が小網代湾に流れ注ぐ第5合流点の河口が見えます。近くの石橋は, 現在は通れません。平成23年3月11日の東日本大震災後の津波で大規模に破壊され, その後も台風時の高潮に襲われました。前後の接続部や土台は浸食に耐えられず, 止む無く閉鎖となったとの事。ところで, 河口に注ぐ浦の川の川幅が少し広い感じがします。南側の谷からの小川がいつの間にか合流していたのです。
 




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枯れかかりのガマ: 因幡の白兎は, 皮を剥かれた肌にガマの穂の枯れた“穂綿”を付けたのではありません。オシベの花粉(=穂黄)を天瓜粉の様に肌に振ったのです。
 







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河口干潟: まだ満潮が続いているような干潟。カニは, 今は繁殖日も終わり, 干潟の土の穴倉で冬眠準備。自分たちは求愛ダンスをパネルで見るだけですが, 来年もまた見せてください。
 ハマダイコン: 大震災後の津波で小網代の森も大被害。ハマダイコンが発生したのはその津波がもたらした大量の種子。津波の被害で回復を待つ植生もあればこのように新たに発生した植生もあります。 



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ハマカンゾウ: 夏に黄橙色の花が見事でしたが, 今は静か。この辺は砂地で昔は畑。その頃のハマカンゾウは大震災後の津波や盗掘により数十株にまで減少しました。 が, 民間企業が自社の敷地で育て,昨年, 900株がこの地に戻されました。現在, ハマカンゾウを更に増やすべくセイタカアワダチソウの駆除から始まり笹を駆除しようとしているところです。すなわち, セイタカのっぽ過ぎる群生はハマカンゾウとは共生できず3週間前に, ある民間企業の主催で多くの人により駆除されました。またこの辺は湿地化できず, 笹の地下茎の駆除には更に数年の人力を要します。数年後の夏にはこのあたり一帯, 多くのハマカンゾウが咲くようになりましよう。
 

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エノキテラス: ガイドさんは, 何枚かのパネルを見て小網代の森の保全/整備の歴史や保全活動が必要な理由を御説明。
小網代の森は70ha。尾瀬のわずか0.8%。広大ではありません。
小網代の森は, つい半世紀前までは人が田畑や薪炭等に何百年も利用した里山。人が利用しなくなった後, 暫くは三浦の原風景に近かったのです。が, 数十年の間, 樹木は高く日陰が多くなりすぎ, また, 川は自らを浸食し水は溜まることなく流れ出るようになってしまいました。結果, 地下水位が低下し乾燥化が進み, 笹がはびこるようになりました。
わずか7年前の平成23年から文字通りの”超特急”自然回復活動が始まり, 3年後の平成26年に一般公開となりました。現在は多様な生物が棲めるようにと, 光当たる湿地へ復元する環境に回復させつつある途上です。
同時に毎月第3日曜のボランテイアウオークとトラスト運動についての説明がありました。 

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昼食後, 自分達で保全区域ではない北の尾根を昇り, 保全作業をしない限り地面は乾き笹だけとなり緑の下草は生えてはこない事を確認。
帰路途中の白髭神社までは昼食前とは全く異なる植生なので新発見をしつつバス停に到着したらもうすぐ3時。実にゆっくりとした散策でした。
 
(文責: 紺谷(7期修了))

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