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2018年10月22日 (月)

H30 入門コース 第11回 「森海里連環学」

実施日:   平成30109

会場オーシャンファミリー海洋自然体験センター
フィールド: 葉山 長者ヶ崎海岸
講師:   NPO法人 オーシャンファミリー海洋自然体験センター 代表理事 海野義明氏
テーマ森海里連環学~葉山で森と海のつながりを感じる~
参加者受講13(8:12, 聴講:1), スタッフ:3

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本日は,  オーシャンファミリー海洋自然体験センターの海野先生に, 森と海のつながりについて伺います。会場は、築100年以上の元網元の古民家を活用。森と海の繋がりの話を聞きました。午前は浜辺でのビーチコーミング、午後には魚捌き実習とBBQで一日海の魅力を満喫しました。!

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森の養分が海産物にとって重要なことを昔から漁師さんは感じていました。気仙沼湾でのカキの養殖のための「森は海の恋人」運動は有名です。ここ葉山は, 緑豊かな山が背後にあり, 海に迫っているので, 海と森とは非常に強く結びついています。本日は近くに川のある長者ヶ崎海岸を歩き, 森が育む海を実感します。

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出がけに子供たちが海岸で拾ったヤギの説明。サンゴ色で見事な枝ぶり。台風の贈り物です。

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葉山公園で海抜約8メートルの眺望台から相模湾全体を見渡します。右手()には逗子・鎌倉・江の島が, そしてはるか沖合には伊豆半島が, また左手()には三浦半島先端が見えます。この眺望が昔の人々に“湾”だと思わせたと納得。振り返って間近に迫る山々を望めば, 北には仙元山を始めとして大峰山と阿部倉山, 南にかけては多くの低山の連なり。葉山では海岸線が約4kmに対し森の奥行が約6kmもあります。すぐ近くに下山川や少し北に森戸川があり, 大量の森の養分を海に運びやすい地形です。

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ビーチコーミング: 海岸を長者ヶ崎の方向に向かいます。

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早速, 満潮時の海岸線にワカメの塊を発見。ひっくり返すと, 元の砂地には無数の小穴。ハマトビムシが棲み隠れています。海岸の掃除屋とも呼ばれるハマトビムシが, 数日でこの塊をかたづけている最中の事でした。

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小穴がぼつぼつと開いた大きな石を割り始めます。この穴はセンコウガイという貝の住処。実際に内部には貝殻が薄いながらも表面がざらざらした貝がいます。天敵のヒトデから身を守るために酸を出して石を溶かし, 自分自身の貝殻表面のざらざらで穴をえぐって大きくしてその中に棲むのです。エサは海水中のプランクトン。よって, プランクトンの豊富な海でないと生きてはいけません。

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 満潮時の海岸線跡近辺を散策しながら珍しい物や, めぼしい物を探します。目立つのはワカメや貝。貝の種類には, レイシガイ, オミナエシガイ, タカラガイ(コヤスガイ), オオヘビガイ など。浜辺なのに巻貝系を結構多く発見できるのは磯が近いからでしようか。

 

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分類: これから各人が収集した獲物を 海の植物, 海の動物, 陸の生物, 人工物, 分類が不明の物 の5種類に分類します。

Spa090199海の動物: 海綿, ヤギ, (イワガキ, アワビ, クロアワビ, トコブシ, イトマキガイ, シラトリガイ, アカガイ, オオアサリ(=ウチムラサキ) , マツバガイ, サルノカシラガイ, マガキガイ, センコウガイ, カモメガイ, サザエ など), ムラサキウニの殻, カニの甲羅, 生きたサザエもいます。

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海の植物: 石灰藻, ミル(=海松), アラメ, カジメ。 茶褐色の海藻, 短く先端が二股なのは浅い所のアラメ、波に負けないように茎は短く葉を広げる戦略をとっており, 一方, 茎が長く先端が分かれていないのは深い所のカジメ、明るい所へと茎を伸ばす戦略だと伺いました。

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人工物: カキの養殖用パイプ(各地では漁業協同組合が回収に尽力中), 高圧電線の碍子部(金属部が回収された後に河川に廃棄された部分) ガラスの破片: 非常によく磨かれており, 鋭く尖ってはいません。 昔は再利用できない物とか不要な物を河川に捨てたからだとの事。加えて災害などでも河川に流されます。それらは全て海に流れ着くのです。道理で電柱の絶縁碍子なども打ちあがるのです。

 

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葉山で有名な海産物と言えばシラス。葉山では一艘の漁船による一艘引という漁法で採っています。他では二艘引という漁法です。二艘引よりも効率が悪いのですが、一艘引では一網内のシラスが少ない為, シラスが呼吸困難に陥らず, 二艘引に比べ活きの良いシラスが採れるのです。


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和船: 船体はスギ製。櫓の本体はアカガシ製。海水に近い比重のため、浮かずに漕ぎ安くなります。櫓の支点部には、ウバメガシとビワを使い、船体の外板の目地にはマキの皮を防水材として使用しています。昔の漁師は、船を作るためにも山に色々な樹を植えていました。

 

 ここで受講生から質問!!

1. なぜ葉山には定置網漁が無いのか? → 海野先生も今まで考えた事が無かったので想像ですが, 磯浜間隔が狭く繰り返す地形のため定置網を仕掛け難いのは勿論, 磯浜単位で分離されているため 各海域での独立心が強く他海域との競合はあっても協力/協業はなかったからではないか, との事。シラス一艘引漁法もそのような理由ですかね?

2. 満月時期には漁を休んだとの事だが, どうしてか? → 特定個所でのみ漁をし続けるといずれその領域の獲物が少なくなるが, 一旦休む事により他海域から獲物が集まる。それを待ってから再開する方が良いからではないか との事。

最後に海野先生いわく, 森が海を育てるように, 良い質問は講師を育てる!!

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昼食: 本日はシラス漁がなく, ねばねば丼に変更。マグロ, トロロ, オクラ, アカモク, ウズラの卵などを盛り, もみ海苔のかかった丼 と 味噌汁(具は, 豆富とワカメ)。それに自家製のミニトマト, ナスの浅漬け, 大根の浅漬け。ねばねば丼の具のアカモクは最近注目を集めている海藻です。アカモクは昔から食されていた地域と知られてはいない地域とがあるという, 不思議な海藻です。

 

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午後は、魚のさばき方。アジ、イワシ、カマスなど用意していただいた地魚をさばきました。手順に沿って慣れない手つきで、何とか三枚におろすことができました。魚の骨の付き方を把握することがポイントでした。

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BBQ: 鉄板に油をひき, 網に酢を塗り, 準備万端。 さばいたアジとカマスをそばに置き, 網と鉄板とが十分に熱せられたらいよいよ焼きはじめ。もう既に一杯やっているメンバも多く話が弾んで和やかなBBQ。 ところで, 魚を焼くと焼き崩れが心配ですが、魚に酢を塗ることで、鉄板や網に身が付かなくなり, 大変具合が良いです。海を知り、海を味わい、満喫の1日でした。                                                              (文責 紺谷(7期修了))

 

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