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2017年9月

2017年9月28日 (木)

H29入門コース第11回「植物入門」(2)~知られざるきのこの不思議~

実施日 平成29年9月27日
会 場  舞岡公園/舞岡ふるさと村虹の家 
講 師  全国森林インストラクター神奈川会 菅原 啓之先生 伊東 賢二先生
                             久野 正樹インストラクター

テーマ 「植物入門」(2)~知られざるキノコの不思議~

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club菅原先生から「知られざるキノコの不思議」の概要説明。
地球誕生は46億年前、化学物質が原始生命体への変化が35億年前、多細胞生物の
出現は10億年前、単細胞生物からの引き継ぎに25億年もかかった。
菌界有機物分解者は生態系は遥かに古い。キノコってなぁーに。日本産は4~6千種ほど
あると言われてるが、詳しいことは不明。名前も付けられていないものの方が多数派で、
研究の送れている分類群も少なくない。キノコは菌類の一種。キノコとカビはどちらも菌糸
からできている。配布参考資料にあるが、主要個所を画像で示します。

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プラスティックを分解する菌が最近エクアドルで発見されたが、分解後の反作用解決が
必要で、実用はまだこれからの問題解決が大変の様である。

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club次に伊東先生から「食べられるキノコ」のテーマの要点説明。
参考写真入った書籍は参考にはなるが、特徴比較には経験値の判断が必要で、いずれ
にせよ形状、色、匂い、形状の変化等微妙に異なることがあるので、素人判断では誤判
定の確率が高い。(特に食べられるキノコと言う目的に対しては)専門家への判定依頼が
大事である。
やはり専門家からの学習が、最善の道なり。伊東先生の属する神奈川県でも総員200名
が毎月2回観察会を開いている。興味があれば参加することを検討したらよい。

club「屋外での観察」
昼食後、「虹の家」を出発。「舞岡ふるさとの森」の周辺散策路から「舞岡公園」に入り、
途中で,都度観察説明を受けながら、「キノコ」(毒を含むものを含む)をサンプル蒐集.。

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「瓜久保」みずき休憩所付近で、サンプル蒐集品を仕分け、分類の上伊東先生から
説明を受けた。

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以後は「瓜久保の家」付近で第1次解散。

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続いて公園内移動で「小谷戸の里」古民家へ、各自見学を終え最終解散となった。

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clubまとめ
「キノコ」とは食するだけのもの、と思っていたが、「キノコ」からすれば「とんでもないこと」
自然に逆らわず、頑張り続けて必死に生存競争に勝ってきたが、これからももっと進化し
続けるものが出てくるだろう。人間も考え直すことを期待しているだろうと思う。キノコを
愛そうよ。

club次回講座
10月10日(火)はテーマ「里山文化」(1)~里山とわたしたちの暮らし~(野外活動分野)
を新治里山公園にてNPO法人横浜里山研究所主任研究員、吉竹 美保子氏より講義・
野外観察を通じ学びます。

(写真、文責 S.I/H.A)

2017年9月25日 (月)

H29専科 歴史探訪科「知知夫の国における自然、文化、人々の暮らしの変遷~

921日に実施しました、専科コース「歴史探訪科」第2回の報告です。今回の舞台は、秩父神社(埼玉県秩父市)。前回講座から3ヶ月あいていたものの、総勢17名の皆さんが笑顔で集いました。

 

今回のテーマは「柞の杜(ははそのもり)~人々の暮らし今昔~」。講師は秩父神社の権宮司 薗田建氏。薗田さんには例年、彩の国シニア自然大学校入門コースで御世話になっていますが、秩父の土地・人・歴史に大変熱い想いと誇りを持たれていて、またユーモラスかつ分かりやすいお話に定評がある方です。

 はじめに、薗田さんより自己紹介と、秩父神社と(そのご神体である)武甲山のつながりについてご説明をいただきました。秩父神社の創建は、平安初期の典籍「先代旧事紀-国造本紀-」によると、第十代崇神天皇の代に「知知夫国(ちちぶのくに)」の初代国造を任命された八意思兼命(やごごろおもいかねのかみ)の十世の子孫である「知知夫彦命」が祖神をお祀りしたことに始まるとされるとのこと。不思議な縁ですが、前回講座(大山 阿夫利神社,神奈川県伊勢原市)で最後に立ち寄った「追分社(おいわけしゃ)」に祀られていた神様と同じ神様が祀られているのです。

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 社拝殿へ。神社の歴史や、鮮やかで迫力のある美しい彫刻一つ一つの意味についても説明を頂きました。お社は、戦国時代の末期に兵火によって消失したものを、天正(てんしょう)十年(1592)、あの徳川家康の指揮により再建されたもの。埼玉県の重要文化財にも指定されています。

<お元気三猿>

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日光東照宮で有名な三猿「見ざる・言わざる・聞かざる」に一見似ていますが、よーくご覧下さい。そうなんです、何と全てが真逆。時代が大きく梶を切ろうとしていた当時だからこそ、その変動のなかでもより「よく見て・よく聞いて・よく話す」ことの大切さが説かれていたようです。粋です。

 

<北辰の梟>

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お社の真裏(北側)のちょうど真ん中にいる梟は、願いを叶えてくれる「北辰の梟」。よく見てみると、梟の身体は、何ときちんとお社の中央の方を向きながら、顔のみ180度くるっとこちらに向いています。さまざまな方角(社会の方面、成り行き)を日々見渡しながらご祭神をお守りしてきました。

 <子宝・子育ての虎>

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お社正面左にあるこちらは「子宝・子育ての虎」。親は豹、子どもは虎。

あれ、間違い??と思うかもしれませんが、こちらも時代のメッセージが。数説あるそうですが、当時の社会の混乱の中でも、血縁や立場を超えたもの同士がお互いに助け合うことの大切さを説いていたという言われもあるそうです。現代にもつながる教えですね。

 

お昼休憩をはさんで、神社から徒歩1分のところにある「祭り会館」へ。毎年123日に執り行われる神事「秩父夜祭」(国指定重要無形民俗文化財)の歴史や、実際に使われている笠鉾や屋台のレプリカを見ました。また、秩父の地域一体で昔から守られてきたさまざまな神事についての映像も。一番の見どころは、「亀の子石」。秩父神社と武甲山の大蛇窪を結ぶ、ちょうど中間地点をずっと守ってきた現物を見ることが出来ます。

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その後は、祭り会館を後にして、秩父市街を練り歩きながら、秩父市役所敷地内に設けられた第2代「亀の子石」もお参りしながら、40分ほどかけて羊山公園へ向かいました。

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高台から見下ろす盆地には、秩父神社の深い杜と、人々の暮らす町並みが、青空に映えていました。このたった50年ほどでも、かなり秩父市は開発されたそう。昔はもっと緑(柞の杜)のエリアが広かったそうです。人の暮らしと自然、そのバランスを昨今見直されていますが、そのモデル風景として心にきざみ、感じ、考える時間でした。締めは武甲山資料館。武甲山から切り出される石灰が生活のさまざまなシーンで使われていること、秩父ならではの植生についてなど学びました。

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 歴史と文化と山を巡る旅、次回は、再び低山トラベラー大内さんにご一緒いただき、天覧山(埼玉県飯能市)の予定です。(彩の国 寺田)

2017年9月17日 (日)

身近な植物の観察~湿地・水辺の植物の工夫~

実施日 平成29年9月14日(木)

会場 県立座間谷戸山公園
講師 全国森林インストラクター神奈川会 菅原啓之氏
テーマ 身近な植物の観察~湿地・水辺の植物の工夫~
田んぼを中心にした「里」、雑木林で覆われた「山」、わき水や湿地・池のある「水辺」の3つの風景から成り立つ座間谷戸山公園。
今回は、水辺を中心に自然散策を行いました。
湿地とは…河川、湖、湿原、水田、干潟など、水辺の環境をまとめて指している。また、湿地に生息する植物を「湿性植物」という。

湿地・水辺の植物で葉が水上に出ているヨシやハスは問題がないが、根が水中にある植物の茎の中は空気が通れるようになっているものも多く、地上から酸素を取り込んで根で呼吸をしているものもある。
生態系にとっての湿地の役割とは①水の浄化を行う②保水・洪水の防止③動植物に生息地を与える④文化的といったものがあげられる。

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一見、ススキのように見えるこれはオギです。ススキと違い、オギには芒(のぎ)がない。芒とは穂の先端にある棘状の突起のことをいう。また、ススキが生える乾燥した場所には生育しない。

彼岸花も綺麗に咲いていました。

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これは、写真ではわかりづらいですが、くもの巣に音叉を当てています。

音叉を何かにぶつけてから、クモの巣に当てると、微弱な揺れを獲物と勘違いし、音叉にくもが飛びかかってくるのです。これには、一同大興奮!

キブシの実もたくさんなっていました。

天気も良く、気温が高かったのですが、森の中は涼しい風が吹いています。木漏れ日がキラキラしていて、歩いているだけで心が癒されます。

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シロミズヒキ・ミズヒキ・ホトトギス(紫色のドットのスカートをはいているみたい)

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最初の方に出てきた、オギに似ているこの植物はヨシ。

毛も芒もなく、葉が互い違いに生えています。オギより水辺や水分の多いところを好みます。

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ヤナギ・ガマの穂・ハンノキ・ツユクサ(黄色い花のような雄しべは、実際は花粉をまったく無くて、虫を誘うための「飾り雄しべ」。花粉があると見せかけて虫を誘い、だまされた虫が長い雄しべの花粉に触れて次の花の雌しべに運んだ時、花は目的を成し遂げ、種子を作る。)

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デッキのにょろにょろした跡は…カタツムリ。木に着いたコケを食べる掃除屋さん。

ブクブクなっているのは、マイクロバブル。微細な気泡でバクテリアの活性化を図る。

メリケンカヤツリ

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このきのこは何かに似ていませんか?「ハリガネ?」「落ち葉?」

なので、「ハリガネオチバタケ」、そのまんまでわかりやすい(笑)

ヤナギイノコズチは、神奈川県の準絶滅危惧種だそうです。(見えづらかったので、赤いラインで囲みました)

黄色い花のキツリフネソウは、果実が熟すと、ホウセンカのように弾けて種子が飛び散るように拡がる。実際に果実に軽く触れると思いのほか激しくパチンッ!とはじけておもしろかったです。

紫色のナンバンギセルの花冠は筒型で唇形。喫煙具のキセルに似ていることが名前の由来。

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どんなに世の中が栄えていっても、水が無ければ人は生きていけない。

それは、植物や生き物にとっても同じこと。

様々な役割を持つ湿地・水辺、これからも大切にしていかなくてはいけないと思いました。

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(藁谷)

2017年9月15日 (金)

H29年度入門コース 第10回 「森の生き物観察」

実施日:平成29年9月12日(火)
会 場 :黒川青少年野外活動センター
講 師 :東京学芸大学 名誉教授 北野 日出男 氏
テーマ :森の生き物観察 ~脈々と続くいのちのつながり

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日の当たる野原で一生懸命虫を探している少年のような、自然を心から愛する北野日出男先生に昆虫の親しみ方について講義して頂きました。

生物学者になった生い立ちや、お宝のボルネオで採集された昆虫標本やマダガスカルの世界一美しいゴキブリの標本など興味深い話から始まりました。
本の紹介では、ずらっと並んだ本の中、専門的な図鑑でなく、昆虫の絵本がお気に入りとおっしゃる先生に「永遠の昆虫少年」の姿が重なります。

熱心に聞いている受講生ばかりですが、随所で生徒とのコミュニケーションを図り、更に興味をひく授業にと、アクティブラーニングの学習指導法を実践なさる先生はさすが現役の教育者。

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午後は、野外へ出て虫探しと観察です。
つい先ほどまで降っていた雨対策にカッパを着込み、虫かごを手にすれば皆、虫ボーイに虫ガールです。

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最後は教室に戻って採集した昆虫の観察です。

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本日の収穫物は、
ドロハチの巣、ケバエ、ヌルデの虫こぶ、イシノミ、ゴミムシ、トノサマバッタ、カマキリ、ハイイロチョッキリゾウムシの卵、エダナナフシ、キボシアシナガバチの巣、ムカデ、ジョロウグモ、ビジョオニグモ、など。

ケバエの幼虫を掌に乗せてモゾモゾした感触を味わい、ヌルデの虫こぶをカッターで切り開いて観察し、未だ青いドングリを切って中のハイイロチョッキリゾウムシの卵を見つける、等々盛沢山の五感を使っての観察会でした。

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トノサマバッタの後翅を広げてみると、斑紋が現れ、これはトノサマではなくクルマバッタであることが分かりました。
虫には痛点が無いので、優しく触って親しみましょう。

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ムカデを手に昔の嫌な思い出を話す北野先生。

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本日の先生の一番は、イシノミとトノサマバッタだとか。
初めて聞く原始的昆虫のイシノミはさすが、と感心しつつ、トノサマバッタに久し振りに会えて嬉しい、には共感できますね。

昆虫観察は恋愛と一緒で、知ると好きになる、好きになると近づいて来てくれる、と言う北野先生の言葉に少し納得しました。

最後に、本日採集した虫たちは全部フィールドへ帰したことをご報告して、終わります。
(T.S. / Y.K. )

2017年9月 6日 (水)

H29年度入門コース 第9回「気象学入門」

実施日:平成29年9月5日(火)
会 場 :午前 山手234番館、午後 横浜地方気象台
講 師 :横浜国立大学准教授 筆保弘徳氏、気象台職員
テーマ :浜風など身近なトピックから気象の世界に興味を持ってもらう

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午前の講義会場は横浜の観光スポットでもある西洋館、山手234番館です。

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「ふでやす」とお読みする珍しいお名前ですが、お習字の先生ではありません。
講義は「風が吹くしくみ」から始まる予定でしたが、台風の季節を迎え、先生のご専門でもある「台風」にテーマが急遽変更となりました。

「地震雷火事おやじ」とよく言われますが、最後のおやじは親父ではなく、大山風(おおやまじ)もしくは大風(おおやじ)、現代でいうところの台風を示す言葉なのだそうです。
日本に神風が吹いたという元寇の歴史的話に始まり、ここ2年間の上陸台風の異常さ、台風のエネルギーの大きさ、日本を襲った3大台風、台風予報の難しさなどについて講義をして下さいました。
大学で気象学を教えていらっしゃる筆保先生のユーモアを交えたテンポ良い話術に、皆どんどん引き込まれていきます。
後半のテーマ「神奈川の気候」も、雨の話に終始してしまいました。
神奈川県の年間降雨量はおよそ1600mm、だいたい大人の背の高さくらいと覚えておくとよいでしょう。
筆保先生の講義の締めくくりは「気象予報士のススメ」。さてここから何人の気象予報士が誕生することでしょうか。

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午後は、港の見える丘公園から外人墓地に向かう途中の見尻坂にある、横浜地方気象台へ。
古びた石積み「ブラフ積み」の擁壁の上に立つ、関東大震災直後の昭和2年に建てられた歴史的建造物です。

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趣ある本館の左側には安藤忠雄氏設計のガラスを多用したコンクリート打ち放しの現代建築がとてもよくマッチして建てられています。
気象学だけでなく建築に興味のある人の見学も絶えないそうです。

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横浜地方気象台の職員の方から、気象台の歴史や日々の業務内容、天気予報ができるまでをご説明いただいたあと、館内を見学しました。

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観測担当1名と予報担当1名の2人1班で一日24時間365日一時も休まずに仕事を続けておられる姿に頭が下がる思いでした。

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屋上では雲の観察や見通しがどれだけきくかなどの観察をしています。
本日の雲は8~9割、2.5km離れたランドマークタワーはよく見えましたが、85kmの距離にある富士山は望めませんでした。

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旧館はアールデコ調の細部装飾が至る所に見られます。

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地下にある地震測定器。黒い容器の中に測定器が収納されており、台座のコンクリートは建物とは切り離されています。
奥の段ボール箱には、パソコンでの観測が始まる以前の紙データが全部保管してあるそうです。昔はロール紙に記録された波形を物差しを持って追いかけながら測ったなんてこともありましたよ、という話に笑いが飛びかいました。

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屋外には、温度計、湿度計、雨量計などが設置されています。

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気象台では、鳥や昆虫、植物の季節観察も行っています。
春になるとよくテレビで桜の開花が話題になりますが、横浜ではこのサクラの標本木に5輪咲いたら開花宣言が出されるそうです。
ソメイヨシノだけでなくイロハモミジ、ススキ、ヤマツツジ、アジサイ、クワ、サルスベリなど多くの樹木が植えられています。

本日は台風というタイムリーな講義を受け、気象台で実際の観測機器や働いていらっしゃる現場を見学し、気象観測データから天気予報が出されるまでの流れが理解できました。
大変貴重な体験でした。
明日からの天気予報番組がさぞかし身近に感じられることでしょう。(Y.N.&Y.K.)

 

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